恋人や家族へのGPS無断取り付けは違法になるのか、ストーカー規制法の要件を確認する
⚡ 結論だけ先に
- 恋愛感情やその感情が満たされなかった怨恨を満たす目的で、相手や家族の承諾なくGPSの位置情報を取得すると違法になり得る。
- 根拠はストーカー規制法2条3項「位置情報無承諾取得等」(2021年改正・2021年8月26日施行)。
- ただし「目的」の要件があるため、見守りなど別の目的なら対象外になるケースもある。
「浮気を疑っているだけなら合法」「家族相手なら問題にならない」といった話がネットでよく語られる。実際には、法律に照らしたときの答えは「目的」次第で分かれる。
まず答え:目的があれば違法になり得る
ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)2条3項は、特定の相手に対する恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことへの怨恨の感情を満たす目的で、相手やその配偶者・同居の親族などの承諾を得ずに、GPS機器や紛失防止タグなどの位置情報記録・送信装置の位置情報を取得する行為を「位置情報無承諾取得等」と定義している。
これは2021年(令和3年)の法改正で新設され、2021年8月26日に施行された。同じ相手に対してこれを繰り返すと「ストーカー行為」にあたり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(同法18条)の対象になり得る。
🔍 よくある思い込みと、実際のところ
根拠: ストーカー規制法2条3項・4項・18条(2021年8月26日施行)。
「バレなければ平気」ではなく、「目的」があるかどうかで違法になる。
なぜ答えがバラつくのか
理由は主に3つある。1つ目は、法改正が2021年と比較的新しく、それ以前の「GPSは法律に触れない」という古い情報が残っていること。スマートフォンや紛失防止タグの普及にルールの周知が追いついていない面もある。
2つ目は、対象が「恋愛感情等を満たす目的」に限定されており、子どもの見守りや高齢者の安全確認との線引きが分かりにくいこと。同じGPSの利用でも、目的次第で扱いが変わる。
3つ目は、1回の取得(警告・禁止命令の対象)と、反復した「ストーカー行為」(刑事罰の対象)とで、扱いの重さが違うこと。この段階の違いが省略されて語られがちだ。
判断の分かれ目
⚖ どちらになるかの分かれ目
| ケース | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 恋愛感情や怨恨を満たす目的で、無断でGPSを取り付け位置情報を取得 | 「位置情報無承諾取得等」に該当し得る | ストーカー規制法2条3項 |
| これを同じ相手に繰り返した | 「ストーカー行為」(1年以下の懲役または100万円以下の罰金) | 同法2条4項・18条 |
| 家族の合意のもと、子の安全確認や高齢者の見守り目的でGPSを使用 | 対象外(目的要件を欠く) | 同法2条3項の目的要件 |
| 本人の同意を得た位置情報の共有アプリ利用 | 対象外(承諾がある) | 同法2条3項の要件(承諾なし、が前提) |
見るところ: 「承諾があるか」と「恋愛感情等を満たす目的があるか」の2点で判断が分かれる。
実際にどう動けばいいか
📝 このとおりに動けばいい
- STEP 1証拠を残すGPS機器や紛失防止タグを見つけても、すぐに処分せず写真や現物を保管しておく。
- STEP 2警察に相談する不安や恐怖を感じたら、最寄りの警察署か警察相談専用電話「#9110」に連絡する。
- STEP 3専用窓口も活用する配偶者や交際相手からの被害の場合は、配偶者暴力相談支援センターも相談先になる。
相談先: 警察相談専用電話「#9110」、最寄りの警察署、配偶者暴力相談支援センター。
無断GPSがストーカー規制法の対象になり得ること、知っていましたか?
よくある質問
家族の位置情報アプリ(iPhoneの「探す」など)を使うのも違法ですか?
本人の承諾を得たうえでの位置情報共有であれば対象外です。問題になるのは、相手に無断で、恋愛感情等を満たす目的でGPS機器や紛失防止タグの位置情報を取得する行為です。
一度だけGPSを取り付けて位置情報を見た場合はどうなりますか?
1回の取得でも「位置情報無承諾取得等」に該当しうり、公安委員会による警告や禁止命令の対象になり得ます。これを反復すると「ストーカー行為」として1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。
浮気調査のための探偵によるGPS利用も対象ですか?
探偵業者による調査でも、承諾なく位置情報記録・送信装置の位置情報を取得すれば同法の規制対象になり得るとされています。個別の可否は警察や弁護士に確認するのが安全です。
まとめ
恋人や家族へのGPS無断取り付けは、「恋愛感情等を満たす目的」があれば違法になり得るというのが答えだ。「バレなければ平気」ではなく、目的と承諾の有無で線が引かれている。不安を感じたら、証拠を残したうえで早めに警察へ相談することが重要になる。
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📌 出典:ストーカー行為等の規制等に関する法律2条3項・4項・18条(laws.e-gov.go.jp)、警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部改正について」ほか。 制度は改正されることがあります。最新の内容は警察庁・都道府県警察の公表資料をご確認ください。 本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律相談にはあたりません。
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