赤目現象はなぜ起きるのか、光が脈絡膜の血管に反射する仕組み
⚡ 結論だけ先に
- 赤目現象は、暗所で開いた瞳孔にフラッシュの光が入り、目の奥の脈絡膜の血管に反射して起きる光学現象
- 健康な目でも起こる。カメラの内蔵フラッシュはレンズに近く、光がそのまま反射で戻りやすい
- ただし瞳が赤ではなく白く光る場合は別。国立がん研究センターは網膜芽細胞腫の初発症状の6割が「白色瞳孔」と説明している
飲み会や子どもの行事でフラッシュ撮影をすると、目だけが真っ赤に写ってしまうことがある。「霊障では」「目に何かあるのでは」という書き込みも知恵袋には多いが、正体は単純な光の反射だ。ただし「赤ではなく白く光る」場合には話が変わる。
まず結論、光は脈絡膜の血管で反射している
暗い場所では瞳孔が大きく開く。そこにフラッシュの強い光が瞬間的に入ると、瞳孔が収縮する前に光が目の奥まで届いてしまう。光はほぼ透明な網膜を通り抜け、その裏にある脈絡膜(みゃくらくまく)という毛細血管が密集した層にぶつかる。この血管に反射した光が瞳孔を通ってカメラに戻ってくるとき、血液の色を帯びて赤く写る。これが赤目現象の正体だ。医療の眼底検査でも同じ原理で目の奥を観察している。
🔍 よくある思い込みと、実際のところ
根拠: 眼底の血管による光の反射という基本原理は眼底検査でも使われる一般的な光学現象。カメラ側の対策はニコンイメージング公式サポート「赤目軽減自動発光または赤目軽減発光について」に基づく
赤目は「体の異常」ではなく、暗い部屋とフラッシュが作る、ただの光の反射だった。
なぜ人や状況によって赤目になりやすさが違うのか
赤目の出やすさは主に3つの条件で決まる。ひとつは周囲の暗さ。暗いほど瞳孔が大きく開き、光が奥まで届きやすい。ふたつめはフラッシュとレンズの距離。内蔵フラッシュはレンズのすぐ近くにあるため、反射光がまっすぐレンズに戻りやすく赤目になりやすい。外付けフラッシュや天井に光を跳ね返す「バウンス撮影」ではこの距離が離れるため軽減される。3つめは瞳孔の大きさそのもので、子どもは大人より瞳孔が大きく開きやすいため、家族写真では子どもだけ赤目になりやすい傾向がある。
判断の分かれ目
⚖ 写真で目が光る色と、その正体
| 対象 | 光る色 | 根拠 |
|---|---|---|
| 人間(通常の赤目) | 赤色 | 脈絡膜の血管に反射。タペータムを持たないため色は血液由来 |
| 猫 | 黄緑〜黄色 | 網膜裏の反射板「タペータム・ルシダム」が光を強く反射 |
| 犬 | 青〜緑(個体差あり) | タペータムを持つが、色素や角度で見え方が変わる |
| 人間・瞳が白く光る場合 | 白色 | 健常でも起こり得るが、網膜芽細胞腫など疾患の初発症状のこともある。国立がん研究センターは初発症状の約6割が白色瞳孔と説明 |
見るところ: 「赤いか」「白いか」で意味が大きく変わる。白い場合だけは自己判断せず専門家に相談を
実際にどう対策すればいいか
📝 このとおりに動けばいい
- STEP 1部屋の照明を明るくしておく撮影前に瞳孔をある程度収縮させておくと反射が弱まる
- STEP 2フラッシュとレンズを離す外付けフラッシュやバウンス撮影、内蔵フラッシュなら被写体との距離を取る
- STEP 3赤目軽減モードを使う本発光の前に数回のプリ発光を行い、瞳孔をあらかじめ収縮させてから撮影する仕組み。ここが山場で、多くのカメラ・スマホに搭載されている
相談先: 写真の瞳が白く光る・左右で色が違うなど気になる写り方が続く場合は、早めに眼科へ
赤目軽減モード、使ったことある?
よくある質問
赤目現象は目の病気のサインですか?
いいえ、通常は病気のサインではありません。暗い場所で瞳孔が開いたままフラッシュの光を受け、目の奥にある脈絡膜の血管にその光が反射しているだけの光学現象で、健康な目でも起こります。ただし瞳が赤ではなく白っぽく光る写真が繰り返し撮れる場合は、念のため眼科への相談が勧められています。
なぜ内蔵フラッシュのカメラは特に赤目になりやすいのですか?
フラッシュの発光位置がレンズの光軸に近いため、瞳孔で反射した光がそのままレンズへ戻りやすいからです。フラッシュをレンズから離す、または赤目軽減モードを使うと軽減できます。
猫や犬の目が写真で緑や青に光るのも同じ理由ですか?
原理は似ていますが正体は別です。多くの動物は網膜の裏に「タペータム」という反射板を持ち、光を強く跳ね返して夜間の視力を助けています。人間にはこの反射板がないため、赤目は血管そのものからの反射になります。
まとめ
赤目現象の正体は、脈絡膜の血管がフラッシュの光を反射しているだけの、ありふれた光学現象だった。気にする必要は基本的にない。ただし「赤」ではなく「白」く光る写真だけは例外で、専門家への相談が推奨されている。次に家族写真を見返すとき、瞳の色を意識してみてほしい。
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📌 出典:国立がん研究センター がん情報サービス「網膜芽細胞腫〈小児〉」(ganjoho.jp)、ニコンイメージング公式サポート「コンパクトデジタルカメラの赤目軽減自動発光または赤目軽減発光について」(nij.nikon.com)ほか。 本記事は一般的な光学現象の解説であり、個別の症状の診断にはあたりません。気になる場合は眼科等の医療機関にご相談ください。
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