蚊に刺されやすい人の理由、決め手は血液型ではなく体臭だった

【実は】蚊に刺されやすい人の理由、血液型ではなかった
💡 答え合わせ / 図版:タネアカシ編集部

⚡ 結論だけ先に

  • 蚊に刺されやすい人の理由に、血液型との確立された医学的関係は無い
  • 2022年のロックフェラー大学(米)の論文が、皮膚から出る「カルボン酸」濃度の違いが誘引の決め手と示した
  • 体温・呼気の二酸化炭素量・汗の成分といった体質が、血液型よりずっと強く関係している

「O型は蚊に刺されやすい」という話は、Yahoo!知恵袋やSNSで毎年夏になると繰り返し語られる。同じ場所にいても自分だけ何十カ所も刺される人がいる一方、まったく刺されない人もいて、体験談としては説得力があるように見える。しかし血液型説には、長年きちんとした裏付けが無いままだった。

はじめに: この記事は蚊が人を選ぶ仕組みに関する研究の一般的な解説です。虫刺されで強いかゆみ・腫れ・発熱など普段と違う症状が出た場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

まず結論、血液型説には科学的な裏付けがない

2022年、米ロックフェラー大学の研究チームが「Cell」誌に発表した論文は、複数年にわたって被験者の体臭を集め、蚊がどちらの匂いを好むかを2択のトラップで競わせる実験を行った。その結果、安定して蚊に好かれる人(研究チームは「モスキート・マグネット」と呼んだ)は、皮膚から出る「カルボン酸」という物質の濃度が、好かれにくい人よりはっきりと高かった。カルボン酸は皮脂を皮膚の常在菌が分解する過程で生まれる物質で、個人差は数カ月〜数年単位で安定していたという。この論文に血液型の項目は登場しない。

🔍 よくある思い込みと、実際のところ

思い込みO型の人は蚊に刺されやすい
実際血液型と蚊の誘引の間に、医学的に確立された関係は無い。刺されやすさを左右するのは体温・呼気の二酸化炭素量・皮膚のカルボン酸濃度など

根拠: De Obaldia et al.「Differential mosquito attraction to humans is associated with skin-derived carboxylic acid levels」Cell誌(2022年)

蚊が探しているのは、あなたの血液型ではなく、あなたの匂いだった。

なぜ血液型が原因だと広まったのか

血液型説が広まった背景には、体質の違いを説明するのに血液型がいちばん手軽に語れる材料だったことがありそうだ。実際に刺されやすさを左右する「呼気の二酸化炭素量」や「皮膚の常在菌のバランス」は自分では意識しにくいが、血液型は誰もが知っていて話題にしやすい。また海外の一部研究でマラリアの感染者数と血液型の偏りが報告された例もあるが、これは特定の感染症への抵抗性の話であり、蚊がどの人を選んで刺すかという行動とは別の話だ。この違いが混同されたまま広まった可能性がある。

判断の分かれ目

⚖ 刺されやすさと関係がある・ない要因

要因刺されやすさとの関係根拠
血液型(ABO式)確立された関連なし研究ごとに結果が割れ、再現性のある関係は確認されていない
体温が高い(妊婦・子ども・運動後)刺されやすい傾向体温は蚊が獲物を探す手がかりの一つ
呼気の二酸化炭素量が多い刺されやすい傾向蚊は数十m先からでもCO2の匂いを感知して寄ってくる
皮膚のカルボン酸濃度が高い刺されやすい傾向2022年ロックフェラー大学の研究で誘引の主要因と特定された

見るところ: 「血液型」ではなく「体温・呼気・皮膚の匂い」の3点で見る

実際にどう対策すればいいか

📝 このとおりに動けばいい

  • STEP 1汗をこまめに拭く・シャワーを浴びる皮膚のカルボン酸や汗の成分を洗い流し、匂いの元を減らす
  • STEP 2屋外では長袖と虫よけ剤を使う肌の露出を減らし、忌避成分入りの虫よけ剤を併用する
  • STEP 3「自分だけ刺される」を気にしすぎないここが山場。血液型は変えられないが、匂いの元になる汗や皮脂のケアは今日からできる、数少ない打てる手だ

相談先: 刺された部位が大きく腫れる、発熱を伴うなど普段と違う反応が出た場合は皮膚科・医療機関へ

あなたは蚊に刺されやすい方?

よくある質問

O型は本当に蚊に刺されやすいのですか?

医学的に確立された証拠はありません。一部の研究で血液型ごとの違いが報告されたこともありますが、結果は研究によってばらつきがあり、再現性のある関連は確認されていません。

蚊が人を見つける決め手は何ですか?

主に呼気に含まれる二酸化炭素と、皮膚から発せられる体臭です。2022年に発表されたロックフェラー大学の研究では、皮膚から出る「カルボン酸」という物質の濃度が、蚊に刺されやすい人とそうでない人を分ける大きな要因であることが示されました。

蚊に刺されやすい体質は変えられますか?

血液型は変えられませんが、汗や皮脂をこまめに洗い流す、虫除け剤を使うといった対策で、蚊が感知しやすい匂いの元を減らすことはできます。

まとめ

蚊に刺されやすい人の理由は、血液型という分かりやすい物語ではなく、体温・呼気の二酸化炭素・皮膚のカルボン酸濃度という地味な体質の積み重ねだった。血液型は変えられないが、汗をこまめに拭く、虫よけ剤を使うといった対策は今日から実践できる。今年の夏、刺されやすさに悩んでいるなら、まず皮膚のケアから見直してみてほしい。

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📌 出典:De Obaldia, M.E. et al.「Differential mosquito attraction to humans is associated with skin-derived carboxylic acid levels」Cell, 185(22), 4099-4116(2022年)DOI: 10.1016/j.cell.2022.09.034(cell.com)ほか。 本記事は一般的な研究解説であり、虫刺されの治療法を示すものではありません。症状が気になる場合は医療機関にご相談ください。

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