郵便ポストはなぜ赤い?初代は黒だった1908年の色替え事情
⚡ 結論だけ先に
- 郵便ポストは1908年(明治41年)前後に全国で赤色に統一されました。それより前は黒塗りの木箱です。
- 赤にした最大の理由は「夜間や遠くから目立たせるため」(郵政博物館の展示解説より)。
- 今も赤くないポストは実在します。速達用の青ポストや復刻黒ポストなど、目的別に色が分かれています。
「郵便ポストってなんで赤なの?」と聞かれると、なんとなく「昔からそうだから」と答えてしまう。ところが日本の郵便ポストは、最初の35年ほどは黒塗りだった。赤に切り替わったのは明治の終わり、はっきりした理由があってのことだ。以下、郵政博物館の資料と日本郵便の説明を頼りに整理する。
まず答え:1908年に全国で赤に統一された
日本の郵便制度は1871年(明治4年)、前島密の建議によって始まった。同時に設置されたポストは「書状集箱」と呼ばれる木製の箱で、色は黒だった。表面には黒漆や黒渋が塗られていて、遠目には格子戸か下駄箱のように見える。
これが赤くなるのは、鉄製の「俵谷式ポスト」が登場した1901年(明治34年)ごろから。逓信省が全国のポストを鉄製の丸型に置き換える過程で色も朱赤に切り替え、1908年(明治41年)にはほぼ全国で赤色に統一された。郵政博物館(東京スカイツリータウン内)の常設展示にも、この移行の経緯がパネルで示されている。
🔍 よくある思い込みと、実際のところ
根拠: 郵政博物館(東京)常設展示解説/日本郵便「郵便のあゆみ」
赤ポストは110年前の逓信省が下した「見えない黒はもうやめる」という結論だった。
なぜ「昔から赤」と誤解されるのか
大きな理由は、いま街で見かけるどのポストも赤いからだ。現行の「郵便差出箱1号丸型」は1949年(昭和24年)登場、以降ずっと赤で更新されている。生まれてから見てきた景色が赤一色なので、明治期も同じだったと感じてしまう。
もうひとつは、明治期の写真がモノクロで残っているせいで、黒の書状集箱を見ても「古い写真だから黒く見えるだけで、実物は赤かったのだろう」と反射的に脳が補正してしまう点だ。実際は黒漆で塗った「垂便箱(たれべんばこ)」と読み間違えられたという記録もあり、当時の姿は今と大きく違った。
黒だった時代に起きていたこと
⚖ 黒ポストで起きていた困りごとと、赤にして解決したこと
| 問題 | 結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 夜間、街灯が乏しい場所で位置が分からない | 投函取りやめが多発 | 鉄製化と同時に朱赤へ変更(逓信省) |
| 「郵便箱」を「垂便箱」と読まれ公衆便所と誤解 | 用途を取り違えられる事故 | 郵政博物館の解説パネル |
| 木製で腐食・火災に弱い | 交換頻度が高い | 鉄製丸型ポストの導入経緯 |
| 各郵便役所ごとに色や形がまちまち | 利用者が識別できない | 1908年前後の全国統一色決定 |
見るところ: 「目立たない」ではなく「見つけてもらえない・間違えられる」という実害があった。だからただ塗り替えるのではなく、色そのものを制度で統一した。
今も残る「赤くないポスト」
📝 赤以外のポストを見分ける手順
- STEP 1青いポストを覚える都心の駅前や集配郵便局の外壁で見かける青色のポストは速達専用。数は少ないが今も稼働している。
- STEP 2金・白のモニュメントを疑うスポーツの記念や地域プロジェクトで設置された金色・白色のポストは多くが投函可能。中身は通常のポストと同じ扱い。
- STEP 3復刻の黒ポストは観光地に明治期の書状集箱を再現した黒い木製ポストは、旧郵便局舎の史跡や観光地に設置例あり。集荷は通常どおり行われる。
相談先: 街で見かけたポストの投函可否が分からないときは、扉に貼られた集荷時刻表または最寄りの郵便局に確認できる。
郵便ポストが「昔は黒だった」と知っていた?
よくある質問
郵便ポストはいつから赤くなったのですか?
1908年(明治41年)前後に全国の郵便差出箱が赤色に統一されました。それ以前の1871年(明治4年)から使われていた木製の「書状集箱」は黒塗りで、日没後は見えづらいという弱点がありました。
なぜ赤色が選ばれたのですか?
遠くからでも目立ち、日中も夜間の街灯下でも識別しやすい色だったためです。当時の資料では、火災報知器と混同されないように鮮やかな朱色系の赤が採用されたと説明されています。
赤くないポストは今も存在しますか?
存在します。速達専用の青いポストや、記念モニュメントとして設置された金・白のポスト、レトロ復刻の黒い書状集箱型など、限られた場所には別色のポストがあります。ただし通常の郵便物投函口は原則赤色です。
まとめ
郵便ポストが赤いのは、「昔からずっと赤かったから」ではなく、1908年に逓信省がそう決めたからだ。背景には黒ポスト時代の「夜に見えない」「便所と間違えられる」という実害があった。街で青や金のポストを見つけたら、それは色替えの歴史が今も続いている証拠にほかならない。
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📌 出典:郵政博物館(東京スカイツリータウン内)常設展示解説/日本郵便「郵便のあゆみ」(post.japanpost.jp)ほか。 本記事は一般的な情報提供であり、個々のポストの設置年・色替え時期は地域により差があります。詳細は各郵便局または郵政博物館の公表資料をご確認ください。
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