レベルファイブのAI疑惑、「人的ミス」説明で本当に収束するのか

【物議】レベルファイブAI疑惑、「人的ミス」釈明でも炎上収まらず
🎮 ゲーム / 図版:タネアカシ編集部

⚡ 30秒でわかるまとめ

  • レベルファイブが『妖怪ウォッチ2 覇道』などのPV・イラストへの生成AI疑惑に、9月17日に改めて詳しく回答した。
  • 不自然に見えた電線や自販機のディテールは「手描きの意図的な簡略化」「人的ミス」だったと説明し、指摘のあったPVの修正版をTGS2026開幕に合わせて公開した。
  • ゲーム本編にAIは直接使っていないと重ねて強調したが、SNSでは「言い訳では」という懐疑論も根強く、完全には収まっていない。

📌 出典:Game*Spark「レベルファイブ、AI使用巡る物議で詳細説明」AUTOMATON「“AIを使ってない部分”にまで疑惑」ほか。

何があったのか

2026年9月12日、レベルファイブの日野晃博社長は、新作発表会「LEVEL5 VISION 2026 II」の映像に生成AIを使ったことをXで謝罪していた。当サイトの前回記事で扱った通り、この時点では「派手にしたかったため」という説明と、ゲーム本編には安易なAI出力データを入れないという方針表明で、一定の収束を見せていた。

ところがその後、疑いは「AIを使っていないはずの部分」にまで広がった。『妖怪ウォッチ2 覇道』のイメージイラストにある電線の描き方や、自販機・雨樋のディテールが不自然だとして、「これもAIでは」という指摘がSNSで再燃したのだ。

この投稿が示す通り、9月17日にレベルファイブは公式声明で改めて詳しい説明を出した。電線はデザイナーが「背景として意図的に簡略化した」手描きであり、自販機や雨樋のディテール省略は「人的ミス」だったという。AIの誤用と人為的ミスを切り分けて説明した点が、前回の謝罪から一歩踏み込んだ対応といえる。

これまでの経緯

  • 2026年9月10日「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」配信。『妖怪ウォッチ2 覇道』ティザーPVなどに生成AI使用の疑いが浮上。
  • 2026年9月12日日野晃博社長がXで謝罪。「派手にしたかった」ためと経緯を説明。
  • 2026年9月13日〜16日「AIを使っていない部分まで疑わしい」という声がSNSで拡大。電線や自販機のイラストに指摘が集中。
  • 2026年9月17日レベルファイブが追加声明。人的ミス・意図的簡略化だったと説明し、指摘のあった一部PVの修正版をTGS2026開幕に合わせて公開。

興味深いのは、疑惑の対象が「AIを使った箇所」から「AIを使っていない箇所」へ逆流した点だ。一度「AIを使う会社」という印象が付いた企業は、純粋な手描き作業まで疑われる構図に陥りやすい。今回はその典型例になった。

賛否が割れているポイント

👍 擁護・理解を示す声

  • 電線や自販機の一枚一枚まで技術的に説明した対応の丁寧さを評価する意見
  • 修正版PVをTGS開幕という節目に合わせて即座に用意したスピード感を評価する声
  • 何でも「AIでは」と疑う過剰な反応こそ行き過ぎだという指摘

👎 批判・懸念を示す声

  • 「人的ミス」という言葉が便利な言い訳に見えるという懐疑論
  • 最初の謝罪からわずか1週間で同じ話題が再燃したこと自体、社内チェック体制の甘さの証拠だという指摘
  • 手描きだと説明されても「AIっぽく見えた」時点でブランドへの不信は消えないという意見

レベルファイブの「人的ミス」説明、納得できる?

この投稿の反応が象徴するように、疑いが「広がった」こと自体をニュースとして客観的に伝える論調も目立つ。感情的な非難だけでなく、AI時代のクリエイティブ産業が抱える構造的な問題として捉える見方が広がっている点は、前回の騒動から一歩進んだ受け止め方だ。

レベルファイブは「ゲーム内容に関しては、AIの直接使用は一切ない」という表現を今回も繰り返し明示した。裏を返せば、発表会や宣伝映像のような「ユーザーに直接届く映像」でのAI活用には、今後さらに慎重にならざるを得ない立場に追い込まれたとも読める。

なぜここまで伸びたのか

今回の再燃が興味深いのは、最初の炎上が「AIを使ったこと」への賛否だったのに対し、今回は「AIを使っていない部分まで疑われる」という逆転現象が起きた点だ。いったん「AIを使う会社」というレッテルが付くと、疑いの対象が本来無関係な手描き作業にまで波及してしまう。

もう一つは、技術的な説明への評価と、企業姿勢そのものへの不信が噛み合わないまま並行していることだ。電線や自販機という細部まで具体的に説明した丁寧さを評価する声がある一方で、「そこまで細かく説明しなければならなくなっていること自体が信頼低下の証拠」という見方も根強い。どちらも一定の説得力を持つため、議論が長引いている。

補足: 修正版PVの具体的な公開範囲や、今後の発表会でAIをどこまで使うかの明確な基準は、本稿執筆時点でレベルファイブから詳細には示されていない。今後の新作情報で運用実態が明らかになる可能性がある。

まとめ

レベルファイブのAI疑惑は、日野社長の謝罪から1週間を経ても完全な収束には至っていない。「人的ミス」という技術的な説明そのものは筋が通っているが、疑いが再燃した経緯自体が、生成AI時代の企業が抱える信頼構築の難しさを浮き彫りにしている。TGS2026会期中に公開される修正版PVの評判が、今後の分水嶺になりそうだ。

最初の謝罪の経緯は前回記事で詳しく整理している。東京ゲームショウ2026をめぐる話題はノベルティ転売批判の記事でも取り上げた。ゲーム業界の炎上や賛否についてはゲームカテゴリでも随時追っている。

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