Windows11の更新(KB5121003)でARC RaidersやThe Finalsがクラッシュする理由と対処法
⚡ 30秒でわかるまとめ
- 8月11日配信のWindows11更新プログラム「KB5121003」適用後、一部PCでゲームがクラッシュする不具合が相次いでいます。
- 原因は更新がRGB照明ソフトなどが使う常駐カーネルドライバー「inpoutx64.sys」との相性を壊したためとみられ、開発元Embark Studiosが暫定回避策を公開しています。
- 同じ更新は悪用が確認された脆弱性「LegacyHive」も塞いでおり、更新を丸ごと外すのは推奨されていません。
📌 出典:BleepingComputer「Microsoft says August Windows updates may cause gaming issues, reboots」(記事)、 Windows Latest「Windows 11's August update is breaking games, and Microsoft is investigating」(記事)、 窓の杜「Windows 11の2026年8月セキュリティパッチに問題か」(記事)、 GIGAZINE「Microsoftが『8月のWindowsアップデートがゲームに問題を引き起こす可能性がある』と警告」(記事)ほか。
何が起きているのか
2026年8月11日に配信されたWindows11の月例更新「KB5121003」を適用した環境で、ゲームが応答しなくなる、予告なく強制終了する、「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」エラーが出る、PCごと再起動するといった報告が相次いでいます。対象として名前が挙がっているのは「ARC Raiders」「The Finals」「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」で、いずれもオンライン対戦を含むタイトルです。
ARC RaidersとThe Finalsを手がけるEmbark Studiosは、原因がRGB照明やファン制御ソフトなどが裏で常駐させるカーネルドライバー「inpoutx64.sys」と今回の更新の衝突にあると特定し、暫定的な回避策を公開しました。Microsoftも問題を認め、公式サポートページで調査中であることを明らかにしています。
ゲーム専門メディアのAUTOMATONが報じたこの投稿には560件以上のいいねが付き、拡散の起点になりました。ポイントは「新作『MARVEL Tōkon』も対象」という一文です。発売されたばかりの新作まで巻き込まれたことで、単なる一部マニアの環境問題ではなく、これから遊び始めるライト層にも直撃する不具合だと認識され、拡散が加速しました。
この投稿が的確なのは、「壊している」のが遊んでいるゲームではなく、あくまで更新側だと明言している点です。プレイヤー側は設定もハードも変えていないのに、ある日突然起動しなくなる。原因を自分の環境に求めて延々と再インストールを繰り返してしまう人が多かったことが、後述する反応の広がり方からもうかがえます。
これまでの経緯
- 2026年8月11日Windows11向け月例更新「KB5121003」配信。400件超の脆弱性を修正する大型更新で、公開済みの権限昇格の欠陥「LegacyHive」(CVE-2026-62832)も含まれる
- 2026年8月16日ごろARC RaidersやThe Finalsでクラッシュ報告が拡散。海外メディアが更新との関連を指摘し始める
- 2026年8月20日開発元Embark Studiosが「inpoutx64.sys」との衝突と特定し、暫定回避策を公開。Microsoftも公式に問題を認め調査を開始
- 2026年8月21日新作格闘ゲーム「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」も対象に含まれると判明。国内メディア・SNSでも話題に
🎥 関連動画:Windows11 KB5121003によるゲームクラッシュの回避策
出典:IT Support/YouTube。 サムネイルをクリックすると再生します(クリックするまで動画は読み込みません)。
動画で示されている手順も、Embark Studiosが案内する回避策と同じく「inpoutx64のサービス停止→削除」が骨子です。コマンドプロンプトの操作に不慣れな場合は、無理に自分で実行せず、周辺機器メーカーの公式サポートに問い合わせる方法もあります。
老舗PC専門メディアの窓の杜が取り上げたことで、ゲーム界隈だけでなく自作PC・周辺機器界隈にも話が波及しました。「RGB照明機能を備えたデバイスが関連か」という一文どおり、原因のドライバーはゲーミングキーボードやファンコントローラーなどゲームとは無関係な周辺機器ソフトが裏でインストールしているケースが多く、「なぜ自分のPCに入っているのか把握していない人」が大半という点が、この不具合の厄介さを物語っています。
アップデートすべきか、様子見すべきか
👍 「すぐ当てるべき」の主張
- KB5121003は400件超の脆弱性を修正する更新で、その中には公開済みの権限昇格の欠陥「LegacyHive」も含まれる
- 影響が出るのは一部の周辺機器ソフトを使っている環境のみで、大半のPCには症状が出ていない
- 開発元とMicrosoftの双方が原因を特定済みで、回避策も提示されている
👎 「様子見すべき」の主張
- ゲームを起動しただけで発生する不具合を、ユーザーがコマンドプロンプトでドライバーを手動削除して自衛するのは筋違い
- 更新から10日以上経った時点でも、Microsoftから恒久的な修正は出ていない
- システムドライバーを自己判断で削除する作業は、初心者には敷居が高く、対応を誤るリスクもある
ゲームがクラッシュする不具合があっても、セキュリティ更新はすぐ当てるべき?
なぜここまで伸びたのか
この話題が広がった一番の理由は、「セキュリティのために当てた更新が、その日遊ぶはずだったゲームを壊す」という理不尽さにあります。ユーザーは何も悪いことをしていないのに、Windowsが自動で適用した更新のせいで、原因不明のトラブル対応を強いられる。この「巻き込まれ感」が、PCゲーマー特有の強い共感を呼びました。
加えて、原因のドライバーがゲーム本体とは無関係な周辺機器ソフトだったことも、話を複雑にしました。多くのユーザーは「なぜ自分のPCに inpoutx64.sys があるのか」を知らないまま、コマンドプロンプトでシステムファイルを削除するという、通常なら避けたい作業に踏み込まざるを得ない状況に置かれています。
まとめ
KB5121003によるゲームクラッシュは、ゲーム本体ではなく周辺機器ソフトの常駐ドライバーとWindows更新の相性問題が原因です。ARC RaidersやThe Finalsが起動しない・落ちるという症状に心当たりがあるなら、まず自分のPCに周辺機器の常駐ソフト(RGB照明・ファンコントローラーなど)が入っていないか確認するのが近道です。更新そのものを外すのではなく、該当ドライバーの停止・削除で様子を見るのが、セキュリティと安定動作を両立させる現実的な選択といえます。
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