着ぐるみの中はなぜ暑い、43℃の実測データと対策の限界を図解
⚡ 30秒でわかるまとめ
- 着ぐるみの中は暑さ対策をしても気温33℃の日に内部35℃前後まで上がるという、着ぐるみ製作会社の実測検証がある。
- ウレタン製の着ぐるみは湿度が10分で99%超に達し、汗が蒸発できず熱がこもりやすい。
- 日本気象協会の別の検証では、気温30〜33℃の日に内部38〜43℃に達したケースも報告されている。
遊園地やイベントで見かける、あの愛らしいマスコットの中身。実は気温33℃の日に、内部が35℃を超えることが実際の検証で分かっています。暑さ対策をしても限界がある、着ぐるみの中の過酷な環境を整理しました。
着ぐるみの中は何度になるのか
着ぐるみ製作会社キグルミックスが2019年8月4日、最高気温34.3℃の猛暑日の東京で行った検証では、気温33.2℃の屋外で10分間活動したウレタン製の着ぐるみの内部温度が約35.2℃(+2℃)まで上昇しました。同条件のエア式(送風機付き)着ぐるみでも、内部は約34.7℃(+1.5℃)に達しています。
日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトが2014年8月に埼玉県三郷市で行った検証でも、気温30〜33℃の日に着ぐるみ内部が38〜43℃に達したケースが報告されています。検証の条件や着ぐるみの素材によって数値に差はありますが、どちらも屋外の気温を大きく上回る内部環境になることを示しています。
🌡 着ぐるみ内部の実測データ(キグルミックス調べ)
図の見方: 着ぐるみ制作会社キグルミックスが2019年8月4日、東京都内(最高気温34.3℃)で行った検証結果です。個体・気候条件により差があります。
温度より怖いのは湿度99%
同じ検証では、ウレタン製の着ぐるみ内部の湿度が10分の活動で99%を超えたと報告されています。屋内(室温27.2℃)での検証でも、ウレタン着ぐるみの内部湿度は同じく99%超まで急上昇しました。
人の体は本来、汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げます。ところが湿度がほぼ100%に近づくと汗が蒸発できず、体にたまった熱をうまく逃がせなくなります。環境省の基準では湿度71%以上がすでに「熱中症の厳重警戒レベル」とされており、着ぐるみの内部はそれを大きく超える環境になっているのが実態です。
📊 素材による内部環境の違い(屋外・気温33.2℃時)
| 素材 | 内部温度の上昇 | 内部湿度 |
|---|---|---|
| エア式(送風機付き) | +1.5℃(約34.7℃) | 約59% |
| ウレタン製 | +2℃(約35.2℃) | 99%超 |
図の見方: キグルミックスが2019年8月4日に行った10分間の検証結果。送風機構の有無で湿度に大きな差が出ています。
着ぐるみの中がつらいのは、気温そのものより「汗が乾かないこと」だった。
なぜ「換気」がほぼできないのか
着ぐるみは造形を保つため、頭部や胴体がウレタンなどの発泡素材で厚く覆われています。通気口を大きく開けると見た目が崩れたりキャラクターの輪郭が保てなくなるため、換気用の穴は最小限にせざるを得ません。加えて視界が狭く自分の体調変化に気づきにくいことも、対応の遅れにつながりやすい要因です。
🔍 着ぐるみで熱がこもるまでの流れ
- STEP 1厚い素材で全身を覆う造形を保つため通気口を大きく取れない。
- STEP 2汗をかいても蒸発しない内部湿度が99%近くまで上昇し、気化熱で冷えない。
- STEP 3体温がこもり続ける視界が狭く、自分の体調変化にも気づきにくい。
- STEP 4休憩のタイミングが遅れがち周囲のスタッフによる見守りが欠かせない。
図の見方: 各種検証結果と業界の解説記事をもとに、当編集部が仕組みを整理した概念図です。
現場ではどんな対策をしているか
過酷な環境であることが分かっているぶん、イベント現場ではさまざまな対策が取られています。活動時間を10〜20分程度で区切って休憩を挟むのが基本で、真夏の屋外イベントでは開催時間そのものを気温の落ち着く夕方以降にずらすケースも増えています。
道具の面では、保冷剤を仕込んだクールベストや、送風機で服の中に外気を送り込む「空調服」の着ぐるみ専用モデルも登場しています。1人で長時間演じ続けるのではなく、複数人による交代制にすることも、熱中症を防ぐうえで欠かせない工夫です。
🧊 現場で使われる暑さ対策
図の見方: 着ぐるみ制作会社やイベント業界の解説記事で紹介されている対策をまとめたものです。
🎥 関連動画:着ぐるみ専用「空調服」の対策事例
出典:イベントマーケティング/YouTube。 サムネイルをクリックすると再生します(クリックするまで動画は読み込みません)。
映像で紹介されている送風機付きの専用衣類は、まさに先ほどのデータで湿度99%まで達したウレタン製着ぐるみの弱点を補うための道具です。着ぐるみの外見を変えずに内部だけ通気性を高めるという、現場ならではの工夫がうかがえます。
着ぐるみの中、想像より暑いと思う?
よくある質問
着ぐるみの中は本当に何度になるの?
着ぐるみ製作会社キグルミックスが2019年8月に気温33.2℃の猛暑日に行った検証では、ウレタン製の着ぐるみの内部温度が10分の活動で約35.2℃まで上昇しました。日本気象協会の「熱中症ゼロへ」プロジェクトが2014年に行った検証でも、気温30〜33℃の日に内部温度が38〜43℃に達したケースが報告されています。
着ぐるみの中で一番つらいのは温度より湿度?
検証では、ウレタン製の着ぐるみ内部の湿度が10分の活動で99%を超えたと報告されています。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体にたまった熱をうまく逃がせなくなるため、気温以上に体感の暑さと熱中症リスクを高める要因になります。
現場ではどんな暑さ対策をしている?
活動時間を10〜20分程度に区切って休憩を挟む、保冷剤入りのクールベストを着る、専用の送風機能付き衣類「空調服」を着込む、複数人で交代制にするといった対策が現場で使われています。
まとめ
着ぐるみの中は、暑さ対策をしても気温を大きく上回る過酷な環境になることが、複数の実測検証で示されています。特に湿度の高さが体温を下げにくくする最大の要因です。
愛らしいマスコットの動きの裏には、短い休憩サイクルと交代制で支える現場の工夫があります。次にイベント会場でマスコットを見かけたら、その中の暑さにも少しだけ思いを馳せてみてください。
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📌 出典:着ぐるみ制作会社キグルミックス「着ぐるみの熱中症対策」(kigurumi.co.jp)、日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクト熱ゼロ研究室(netsuzero.jp)ほか業界の解説記事。



