サラダ油は体に悪い?名前の正体とトランス脂肪酸の実態

サラダ油は体に悪いのか、名前の正体は決まった油ではない
🍳 食と健康の真実 / 図版:タネアカシ編集部

⚡ 30秒でわかるまとめ

  • 「サラダ油」は特定の原料の油の名前ではなく、JAS規格の基準を満たした植物油の総称。
  • 精製の過程で微量のトランス脂肪酸が生じることがあるが、日本人の平均摂取量はWHO基準の半分以下。
  • 普段の食生活の範囲であれば、「体に悪い」と過度に不安がる必要はないというのが公的機関の見解。

「サラダ油は体に悪い」という話を目にしたことはないでしょうか。実は「サラダ油」という名前自体、特定の油を指すものではありません。名前の正体と、体への影響について公的なデータをもとに整理します。

お読みください: この記事は一般的な食品の情報を整理したものであり、診断・治療の代わりにはなりません。持病があり食事制限中の方や、体調に不安がある場合は自己判断せず、医師・管理栄養士にご相談ください。

「サラダ油」という名前の正体

サラダ油という名前は、1924年に日清製油(現・日清オイリオグループ)が「サラダにかける油」として売り出した「日清サラダ油」が由来とされています。当時の日本では食用油は揚げ物用が中心でしたが、西洋のドレッシング文化に合わせ、低温でも固まりにくく非加熱でも使える精製度の高い油として売り出したのが始まりでした。

現在では「サラダ油」は特定の原料を指す名前ではなく、日本農林規格(JAS)の基準を満たした植物油につけられる総称です。日本植物油協会などによると、なたね・大豆・ひまわり・綿実・ごま・とうもろこし・サフラワー・こめ・ぶどうなど、複数の原料油が対象として認められています。

🫗 「サラダ油」は原料の名前ではない

名称指しているもの
サラダ油JAS規格の精製度基準を満たした植物油の総称(原料は複数)
キャノーラ油なたねを原料とする油の名称
ごま油ごまを原料とする油の名称

図の見方: 日本植物油協会の解説や食品専門メディアの記事をもとに、当編集部が整理した概念図です。個々の製品の原料は商品ラベルの原材料表示でご確認ください。

なぜ「体に悪い」と言われるのか

「サラダ油は体に悪い」と言われる理由のひとつが、精製の工程で生じる微量のトランス脂肪酸です。農林水産省の解説によると、植物油を精製する際、好ましくない臭いを取り除くために高温で処理することがあり、この工程でシス型の不飽和脂肪酸の一部がトランス脂肪酸に変わることがあります。

ただし、農林水産省の調査では日本人1人1日当たりのトランス脂肪酸摂取量は、平均総エネルギー摂取量の0.44〜0.47%程度と推計されています。これはWHO/FAO合同専門家会合が勧告する「総エネルギー摂取量の1%未満」という目標値の半分以下にあたります。

📊 日本人のトランス脂肪酸摂取量とWHO基準

日本人の平均摂取量総エネルギーに対する割合
0.44〜0.47%
WHOが勧告する上限の目安これを下回ることが目標
1%未満

図の見方: 農林水産省の公開資料をもとにした概念図です。バーの長さはWHO基準(1%)を100としたときの相対的な割合を示しています。

🔍 誤解と実際

誤解サラダ油はトランス脂肪酸を含むから、避けたほうがいい危険な油だ。
実際日本人の平均摂取量はWHO基準の半分以下で、通常の食生活なら健康への影響は小さいとされる。

図の見方: 農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」の解説をもとに当編集部が整理しました。

キャノーラ油・オリーブオイルとの違い

サラダ油と混同されやすいのが、キャノーラ油やオリーブオイルです。キャノーラ油は「なたね」を原料とする油の商品名で、原料が1つに特定されています。オリーブオイルも同様にオリーブの実を原料とする油です。これに対しサラダ油は、原料ではなく精製度という基準で線引きされた総称である点が根本的に異なります。

🎥 関連動画:食用油はどれを買えばいい?揚げ物・炒め物の使い分け

出典:樋口直哉の料理論[Cooking theory]/YouTube。 サムネイルをクリックすると再生します(クリックするまで動画は読み込みません)。

動画でも触れられている通り、用途によって向く油は変わります。クセの少ないサラダ油は揚げ物や炒め物に幅広く使いやすい一方、風味を生かしたい料理にはオリーブオイルなど原料が特定された油を使い分けるのが実用的です。

「サラダ油」は油の種類の名前ではなく、基準をクリアした油につけられる合格証だった。

正しい付き合い方

サラダ油そのものを過度に避ける必要はありませんが、油全体の摂り過ぎや、酸化した油の使い回しには注意が必要です。農林水産省も、脂質の摂り過ぎは肥満や生活習慣病につながり、飽和脂肪酸の摂り過ぎはLDLコレステロールの増加を通じて循環器疾患のリスクを高めると説明しています。

⚠️ 油の劣化リスクの目安

未開封で保管
開封後、常温で長期保管
揚げ物で繰り返し加熱使用

図の見方: 一般的に酸化が進みやすいとされる使用状況を当編集部が5段階の目安として整理した概念図です。実際の劣化速度は温度・光・使用頻度で変わります。

サラダ油が特定の原料を指す名前ではないと知っていた?

よくある質問

サラダ油とはどんな油のこと?

特定の原料の油を指す名前ではありません。日本農林規格(JAS)が定める精製度などの基準を満たした植物油につけられる総称で、なたね・大豆・ひまわりなど複数の原料が使われています。

サラダ油は本当に体に悪いの?

精製の過程で微量のトランス脂肪酸が生じることはありますが、農林水産省の調査では日本人の平均摂取量はWHOが勧告する基準の半分以下です。通常の食生活の範囲であれば、健康への影響は小さいとされています。

サラダ油とキャノーラ油はどう違うの?

キャノーラ油はなたねを原料とする油の名称で、原料が特定されています。一方サラダ油は原料を問わずJAS規格の基準を満たせば名乗れる総称のため、両者は原料の指定範囲が異なるという関係にあります。

まとめ

サラダ油は、特定の油の種類ではなく、JAS規格の基準を満たした植物油に与えられる名前でした。「体に悪い」という不安の背景にあるトランス脂肪酸も、日本人の平均的な食生活の範囲ではWHO基準を大きく下回っています。

大切なのはサラダ油そのものを避けることではなく、油の摂り過ぎや酸化した油の使い回しに気をつけることです。ラベルの表示を確認しながら、上手に使い分けていきましょう。

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📌 出典:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」(maff.go.jp)、農林水産省「脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響」(maff.go.jp)、一般社団法人日本植物油協会「植物油とJAS制度」(oil.or.jp)ほか。

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