市販薬のレシートは医療費控除に使えるのか、セルフメディケーション税制で確認する

【国税庁】市販薬でも医療費控除、使える条件とは
💡 答え合わせ / 図版:タネアカシ編集部

⚡ 結論だけ先に

  • 対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)を年間12,000円を超えて買うと、「セルフメディケーション税制」で超えた分(上限88,000円)が所得控除される。
  • 根拠は国税庁タックスアンサー No.1132(セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費)。
  • ただし通常の医療費控除(10万円超が基準)とは選択制で、同じ年に両方は使えない。

「市販薬を買ってもレシートを取っておく意味はない」という話と、「実は税金が戻ることがある」という話が、ネット上で同じくらいの熱量で語られている。実際にはどちらも半分正しい。制度を知っているかどうかで、確定申告の結果が変わる。

はじめに: この記事は国税庁の公表情報にもとづく一般的な説明です。制度の対象品目や金額は改正されることがあります。実際の申告にあたっては、最寄りの税務署または税理士にご確認ください。

まず答え:市販薬でも所得控除の対象になる

セルフメディケーション税制は、医療用医薬品から市販薬に転用されたスイッチOTC医薬品などを対象に、年間(1〜12月)の購入額が12,000円を超えた場合、その超えた部分を88,000円を上限として所得控除できる制度だ。根拠は国税庁タックスアンサー No.1132にまとめられている。

対象商品には、パッケージに識別マークが付いていることが多く、レシートにも対象である旨が印字されるドラッグストアが増えている。

🔍 よくある思い込みと、実際のところ

思い込み市販薬のレシートなんて、取っておいても意味がない
実際対象品目(スイッチOTC医薬品など)を年間12,000円を超えて買うと、セルフメディケーション税制で所得控除を受けられる。パッケージの識別マークが目印
思い込み通常の医療費控除と併用すれば、もっとお得になる
実際通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制。同じ年にはどちらか一方しか使えない(国税庁 No.1132)

根拠: 国税庁タックスアンサー No.1132「セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費」。

レシートを持っているだけの人と、確定申告で使う人の差は、知っているかどうかだけだ。

なぜ答えがバラつくのか

理由は主に3つある。1つ目は、セルフメディケーション税制が2017年に始まった比較的新しい制度で、「医療費控除=病院代だけ」というイメージが根強く残っていること。

2つ目は、対象品目が「市販薬すべて」ではないこと。スイッチOTC医薬品を中心に、令和4年以降は同種の効能を持つ一定の医薬品も追加されているが、栄養ドリンクやサプリメントなど医薬品に該当しないものは対象外だ。

3つ目は、通常の医療費控除との選択制であることが見落とされがちなこと。「両方使えばもっと戻る」と誤解しているケースが多い。

判断の分かれ目

⚖ どちらになるかの分かれ目

ケース結論根拠
スイッチOTC医薬品を年間12,000円超え購入対象になりうる国税庁 No.1132
栄養ドリンク・サプリメントの購入対象外医薬品に該当しないものは対象外
同じ年に通常の医療費控除(10万円超)も使いたい併用不可、どちらか選択セルフメディケーション税制と選択適用
健康診断や予防接種を受けていない年適用要件を満たさない「健康の保持増進等の一定の取組」要件

見るところ: まず「対象品目かどうか」、次に「通常の医療費控除とどちらが有利か」の2段階で判断する。

実際にどう動けばいいか

📝 このとおりに動けばいい

  • STEP 11年分(1〜12月)のレシートを保管するドラッグストア等で、対象商品にはレシートに識別マークが印字されることが多い。
  • STEP 2「一定の取組」の証明も保管する健康診断の結果通知表や予防接種の領収書など、適用要件を満たす取組の記録。
  • STEP 3確定申告の時期に、合計額を計算して比較する12,000円を超えているか、通常の医療費控除とどちらが有利かを確認したうえで申告書に記載する。迷う場合は税務署に相談する。

相談先: 最寄りの税務署、国税庁 電話相談センター、税理士。

セルフメディケーション税制を知っていた?

よくある質問

どの市販薬が対象になりますか?

スイッチOTC医薬品(医療用から市販薬に転用された薬)を中心に、令和4年以降は同種の効能を持つ一定の医薬品も対象に加わりました。対象商品にはパッケージに識別マークが表示されていることが多く、正確な対象品目は国税庁や厚生労働省の公表情報で確認できます。

通常の医療費控除と両方使えますか?

使えません。国税庁の制度概要によれば、セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は選択適用で、同一年分についてどちらか一方しか適用を受けられません。

家族の分のレシートも合算できますか?

できます。生計を一にする配偶者やその他の親族のために購入した分の費用も合算して申告できます。

まとめ

市販薬のレシートは、「対象品目を年間12,000円超え買っているか」を確認するまでは捨てない方がいい。対象になれば、通常の医療費控除より低いハードルで所得控除を受けられる。

やることはシンプルで、1年分のレシートと「一定の取組」の記録を残しておくこと。それだけで、確定申告の選択肢が一つ増える。

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📌 出典:国税庁タックスアンサー No.1132「セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費」(nta.go.jp)ほか。 制度は改正されることがあります。最新の内容は国税庁の公表資料をご確認ください。 本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談にはあたりません。

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