栄養成分表示の「食塩相当量」、ナトリウムとは何が違うのか

【実は】食塩相当量とナトリウムは違う、2.54倍のカラクリ
🍳 食と健康の真実 / 図版:タネアカシ編集部

⚡ 30秒でわかるまとめ

  • 「食塩相当量」と「ナトリウム」は単位も意味も違う別の数値。混同すると塩分量を読み間違える。
  • 換算式は食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000。食塩の分子量58.5をナトリウムの原子量23で割った値が根拠。
  • 2020年4月の食品表示基準の完全施行で、栄養成分表示は「食塩相当量」での表記が原則になった。

スーパーで食品の裏面を見て、「ナトリウム○mg」と「食塩相当量○g」、どちらが表示されているか気にしたことはあるでしょうか。実はこの2つ、同じようで意味も単位もまったく違う数値です。

お読みください: この記事は食品表示のルールを解説するものであり、特定の疾患に対する食事指導ではありません。持病があり塩分制限が必要な方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。診断や治療の代わりにはなりません。

食塩相当量とナトリウムは何が違うのか

食塩(塩化ナトリウム)は、ナトリウムと塩素という2つの成分が結びついたものです。「ナトリウム」という表示は、食塩のうちナトリウムの部分だけを取り出した重さを指しているのに対し、「食塩相当量」は実際に含まれる食塩そのものの重さに換算した数値です。

この2つは単位も意味も違うため、ナトリウムの数値をそのまま「塩分量」として読んでしまうと、実際より少なく見積もってしまうことになります。

🧂 「ナトリウム」と「食塩相当量」の違い

ナトリウム食塩相当量
指しているもの食塩の中のナトリウム分だけ食塩そのものの重さ
単位mg(ミリグラム)表記が多いg(グラム)表記
現在の表示ルール単独表示は原則しない栄養成分表示で原則必須

ここが分かれ目: 同じ食品の塩分でも、どちらの単位で見るかで数字の大きさが変わって見えます。

「×2.54」の計算の中身

ナトリウムから食塩相当量を求める計算式は、食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000です。この「2.54」という数字は、化学の原子量から導かれています。

食塩(塩化ナトリウム)は、ナトリウム原子(原子量23)と塩素原子(原子量35.5)が結びついたもので、合計の重さは58.5になります。この58.5をナトリウムの原子量23で割ると、約2.54という数字が出てきます。つまりナトリウムが1gあれば、食塩としては2.54gぶんに相当するという関係です。

🔢 「×2.54」が生まれる仕組み

  • STEP 1食塩=ナトリウム+塩素食塩の重さの単位(原子量)は合計58.5。
  • STEP 2ナトリウム単体の重さは23食塩58.5のうち、ナトリウムの分だけを取り出した重さ。
  • STEP 358.5÷23=約2.54ナトリウム量に2.54を掛けると、食塩の重さに換算できる。

図の見方: 原子量にもとづく計算式であり、実測というより化学的な換算値です。

「ナトリウム1g」は「塩分1g」ではない。食塩に直すと2.54gになる。

なぜ食塩相当量での表示に変わったのか

以前は食品表示に「ナトリウム」の量だけが書かれていることが多く、消費者は自分で2.54を掛けて食塩の量に計算し直す必要がありました。しかしこの手間は現実的ではなく、日々の塩分摂取量を意識しづらいという課題がありました。

生活習慣病の予防には、塩分摂取量を分かりやすく把握できることが重要です。この考えのもと、食品表示法にもとづく食品表示基準が2020年4月1日に完全施行され、栄養成分表示では原則として「食塩相当量」で表示することが定められました。

📅 表示ルールが変わった経緯

ナトリウム表示のみの時代の分かりにくさ
食塩相当量表示への切り替えの重要度

図の見方: 各種解説記事の内容をもとに当編集部が経緯を整理した概念図です。実測データではありません。

買い物で気をつけたいポイント

今の栄養成分表示では、基本的に「食塩相当量」の欄を見れば、そのまま塩分量として読み取れます。わざわざ計算し直す必要はありません。ただし、輸入食品や古い在庫商品など、まれに「ナトリウム」表記のみのパッケージに出会うこともあります。

その場合は、「ナトリウム(mg)×2.54÷1000」の式を思い出せば、自分でおおよその食塩相当量を計算できます。この換算を知っているだけで、パッケージの数字への見え方が変わってくるはずです。

「食塩相当量」と「ナトリウム」の違い、知っていた?

よくある質問

食塩相当量とナトリウムは何が違うの?

ナトリウムは食塩を構成する成分の1つの量そのものを指し、食塩相当量はそのナトリウム量を、実際に含まれる食塩の重さに換算し直した数値です。単位が違うため、そのままでは比較できません。

ナトリウムから食塩相当量への計算方法は?

食塩相当量(g)は、ナトリウム量(mg)に2.54を掛けて1000で割ることで求められます。これは食塩(塩化ナトリウム)の分子量58.5をナトリウムの原子量23で割った値に基づいています。

なぜ食塩相当量での表示が義務化されたの?

以前はナトリウム量のみの表示が一般的で、消費者が自分で食塩の量に換算する必要がありました。生活習慣病予防のために塩分摂取量を分かりやすく伝える目的で、2020年4月の食品表示基準の完全施行により食塩相当量での表示が原則となりました。

まとめ

「食塩相当量」と「ナトリウム」は、同じ塩分の話でも見ている単位がまったく違う数値です。2.54という換算係数の意味を知っておくだけで、食品表示の数字を正しく読み解けるようになります。

今使っている調味料や加工食品のパッケージを、あらためて裏返して見てみると、これまで気にしていなかった数字の意味が見えてくるはずです。

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📌 出典:公益財団法人日本心臓財団「注意しましょう!〜食品成分表示のナトリウム含量は食塩相当量としては2.5倍〜」(jhf.or.jp)、愛媛県「食品表示法」解説資料(pref.ehime.jp)ほか。

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