育休は会社が拒否できるのか、育児・介護休業法6条が示す答え
⚡ 結論だけ先に
- 育休は原則、会社が拒否できません。育児・介護休業法6条が「事業主は育児休業申出を拒むことができない」と明記しています。
- 拒否できるのは、労使協定で「雇用期間1年未満」などの除外対象を定めている場合に限られます。
- 育休取得を理由にした解雇や降格などの不利益な取扱いも、同法10条で禁止されています。
「うちの会社は人手不足だから育休は無理と言われた」「育休は会社の許可が必要なのでは」という質問は、Q&Aサイトで繰り返し見られます。しかし育児・介護休業法をひもとくと、答えははっきりしています。会社の都合による拒否は、法律上ほとんど認められていません。
まず答え:育休は育児・介護休業法6条により原則拒否できない
育児・介護休業法6条1項は「事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない」と定めています。「人手が足りない」「代わりがいない」といった会社側の業務都合は、拒否の正当な理由にはなりません。
🔍 よくある思い込みと、実際のところ
根拠: 育児・介護休業法6条、同法10条
育休は「会社の許可」ではなく、「法律上の権利」です。
なぜ「拒否できる」という誤解が広まったのか
育児・介護休業法6条には「ただし書き」があり、労使協定を結んでいる場合に限り、雇用期間が1年未満の労働者など一部を育休の対象から除外できます。この例外規定の存在や、実際に企業が渋る対応をとるケースが混ざり合い、「会社次第で拒否できる」という誤解が広まったと考えられます。
拒否できるケースとできないケースの分かれ目
⚖ どちらになるかの分かれ目
| ケース | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 労使協定が無い会社の正社員 | 拒否できない | 育児・介護休業法6条1項 |
| 労使協定があり、雇用期間1年未満の労働者 | 拒否できる場合がある | 育児・介護休業法6条1項ただし書き |
| パート・契約社員で除外対象に該当しない | 拒否できない | 育児・介護休業法6条1項 |
| 育休取得を理由に解雇・降格する | 違法(拒否とは別に禁止) | 育児・介護休業法10条 |
見るところ: 労使協定で明確に除外対象と定められているかどうかです。
育休を拒否されたときの動き方
📝 このとおりに動けばいい
- STEP 1労使協定の有無を確認する会社に労使協定があるか、自分がその除外対象にあたるかを確認します。
- STEP 2条文を示して再度申し出る育児・介護休業法6条・10条を示して、書面での申出を改めて行います。
- STEP 3それでも解決しなければ相談する都道府県労働局に相談します。
相談先: 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)、労働基準監督署の総合労働相談コーナー
🎥 関連動画:育児・介護休業法の基本を学ぶ
出典:厚生労働省 / Ministry of Health, Labour and Welfare/YouTube。サムネイルをクリックすると再生します。
会社に育休の相談をしたことがありますか?
よくある質問
育休は会社の許可がないと取れないのですか?
いいえ。育児・介護休業法6条により、事業主は労働者からの育児休業の申出を原則として拒むことができません。許可を得る制度ではなく、労働者の権利として認められています。
育休を拒否されたら罰則はありますか?
違法に育休を拒否した事業主に対しては、厚生労働大臣が報告を求めたり、助言・指導・勧告を行うことができます(同法56条)。勧告に従わない場合は、企業名が公表されることがあります(同法56条の2)。
パートや契約社員でも育休は取れますか?
取れます。労使協定で雇用期間1年未満などの除外対象と定められていない限り、雇用形態にかかわらず育児・介護休業法の対象になります。
まとめ
育休は会社の許可制ではなく、育児・介護休業法6条が定める労働者の権利です。拒否できるのは労使協定で明確に例外とされた場合だけで、それ以外の「人手不足」などの理由は通りません。拒否された場合は、まず条文を示して再度申し出てください。
関連記事:退職代行の申し出、会社は拒否できない理由 / パワハラの定義、厚労省が示す6類型
📌 出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」第6条・第10条、 厚生労働省「育児・介護休業法について」ほか。 制度の解釈は改正で変わることがあります。最新の内容は各機関の公表資料をご確認ください。 本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律相談にはあたりません。
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